仮想通貨は取引や決済をするだけではなく、保有している顧客の仮想通貨を盗難や紛失から守り保管しておかなければなりません。一般的には有価証券(株式・国債・一般債)投資の際に、証券の管理や保管、配当金の受領、運用資産の受け渡しや運用成績の管理などを行う業務のことです。カストディ業務を行う機関のことをカストディアンと言います。(参考記事:用語集 カストディ「証券」 - みずほ総合研究所)
アメリカではニューヨーク州政府から「適格カストディアン」として認定されなければ、金融の機関投資家からの資産の管理を行えません。州の政府から認められるには、顧客保護のための保有している資産残高や、資産の管理方法など様々な厳しい項目があると想定されます。
アメリカでこのニューヨーク州政府から適格カストディアンとして認定されているのはCoinbase(コインベース)などがあります。
仮想通貨のカストディサービスを分類すると、「取引所」「サードパーティ」「セルフ」と大きく3つに分けることができます。
Exchange Custody(取引所カストディ)
仮想通貨取引所では取引所に仮想通貨を置きっぱなしにしているユーザーも多くいるため、カストディのサービスが必要になってきます。日本でもカストディの資格がないと仮想通貨取引所を行えないといったことにもなるかもしれません。
取引所カストディを提供している所ではBINANCE、OKEX、Huobi、ZB.com、BITTREX、Coinbase、kraken、BITFINEX、POLONIEXがあります。
Third-Party Custody(第三者機関カストディ)
サードパーティとは、カストディの認定を活かし第三者機関による保管サービスです。最も安全な形の保管方法とされており、技術的なセキュリティや武装した警備員などによって厳重に守られています。
サードパーティカストディを提供している所ではcoinbase、xapo、BitGo、itBit、Fidelity、DIGITAL ASSETS、KINGDOM TRUST、SWISS CRYPTO VAULT、DIGITAL ASSET CUSTODY COMPANY、Vo1tなどがあります。
Self-Custody(セルフカストディ)
セルフカストディは、ソフトウェアによるウォレットやハードウェアウォレットと秘密鍵と暗号鍵をセットにした使った個人でのカストディです。ソフトウェアウォレットの場合は、スマートフォンのアプリや、デスクトップPCでアプリをダウンロードして仮想通貨を自分自身で保管するものです。
セルフカストディのサービスにはTREZOR、OPENDIME、Ledger、Casa、BLOCKCHAIN、BRD(bread)、MyEtherWallet、mycelium、ELECTRUMなどがあります。